10月14日(金)15日(土)の二日間。6年生は楽しみにしていた修学旅行に出かけました。これまで、「みんなの笑顔の思い出 輝く成長 」をスローガンに掲げ、事前学習や準備をしてきました。みんなの気持ちを表すかのような晴天に恵まれ、22人全員が元気に出発することができました。保護者の皆様には、早朝より見送りにきていただきありがとうございました。
京都までの道中は、子どもたちが事前学習で調べたことをもとにしてつくった見学地クイズや見所紹介をしながら過ごしました。あっという間に京都です。
<<二条城>>


最初の見学地は二条城です。

徳川家康が朝廷から征夷大将軍を宣化され江戸幕府が誕生しました。その後、15代将軍徳川慶喜が政権を朝廷に返上するまで、250年以上もの長期政権となった江戸幕府。その始まりと終わりを見届けた大広間。ここに家康が座ったのか・・・と考えると感動しました。狩野派による障壁画や、欄間彫刻のすばらしさ、煌びやかな飾金具に目を奪われました。
小堀遠州の手による庭園を眺めます。

鴬張りの仕組みを知りました。
<<西陣織会館>>

昼食会場となっている西陣織会館へ向かいます。予定時刻より早く到着してしまったために、当初はバス待機と言われていましたが、ちょうど織りの実演が始まったということで、特別に中に入れていただきました。

職人さんの「どこから来たの?」という質問に、はきはきと答える子どもたちの姿が立派でした。疑問に思ったことはどんどん質問します。
「私たちの住んでいるあま市は、七宝焼という伝統工芸で有名です」
「七宝焼って知っていますか?」
「私たちは3年生になると学校で七宝焼体験をします」
など、自分の住んでいる町の自慢を紹介する子もいました。その姿を見ていて、宝小学校が力を入れて取り組んでいる「宝っ子タイム」での学習が生きているなと感じました。

お昼ごはんはとんかつ定食。ごはんはおかわり自由なので、たくさんの子がおかわりをして、午後からの見学に備えていました。
<<鹿苑寺金閣>>

次は鹿苑寺金閣です。
駐車場でバスを降り、少し坂を上ったところでちらりと見えた舎利殿金閣。
「うわぁぁぁ。きれい!!」
子どもたちから歓声が上がりました。自然と足早になります。濃い青空を背景に金閣が輝いていました。風もなく、水面穏やかな鏡湖池には見事な逆さ金閣が。北山文化の優美さと華やかさをしっかり目に焼き付けました。
見学を終えてトイレ休憩。そこでとてもすてきな一場面に出会いました。手洗い用アルボース石鹸の出し方がわからず困っている外国の女性。その方の後ろに並んでいた宝小のある女の子は、そっとその方の横に立ち、手のひらで棒を押し上げるんだとジェスチャーで教えてあげていました。外国のの方は笑顔でうなずき、石鹸で手を洗うことができました。先に出た外国の方は、その子を外で待っていて、目と目を合わせ、「ありがとう」とでも言うように頭を下げました。女の子もにっこりと笑顔を返しました。その後、その女性は、次に困っていた違う外国の女性に、手のひらで押し上げて石鹸を出すことを教えてあげていました。優しさのバトンが宝小学校の1人の女の子から渡され、優しさのリレーがスタートしました。道徳の授業で学んだ力もこういうところで実践されていました。
厳下水・・・これは義満公お手洗いの水と言われています。
<<慈照寺銀閣>>

三つ目の見学地は慈照寺銀閣。高く仕立てられた椿の生け垣と竹垣の間(銀閣寺垣)を通ると、目の前に錦鏡池が現れます。左には大きな砂山。
「あぁ、これが向月台かぁ」
「えっ、こんなに大きかったの?」
調べ学習もしたし、説明も聞いたし、写真では見たことがあったけれど、実物を目の前にすると、新しい発見がありました。
池の奥にひっそりとたたずむ銀閣は、金閣のような華やかさはないけれど、どっしりと落ち着いた印象を受けました。この渋さが銀閣のたまらない魅力です。
<<清水寺>>
本日最後の見学地は清水寺です。ここは観光客であふれかえっていました。(といっても、コロナ前ほどの賑わいではありませんでしたが)

人混みをかき分けて、清水坂を上り仁王門前へ。青空に朱が映え、とても美しい姿です。

本堂入り口に弁慶の鉄の下駄と錫杖があります。鉄下駄は片方が12kg、小錫杖は17kg、大錫杖は96kgあります。触ると御利益があると聞き、1人で持ち上げたり、みんなで持ち上げたりしてみました。バスガイドさんが言うことには、「これを触ると一生浮気ができない」そうです。それを聞いて、触るのをやめた子がいたとかいないとか・・・。

見下ろすと高さで足がすくみました。

舞台から京都の町を眺めました。

遠くに京都タワーも見えました。
少し紅葉の始まった美しい景色でした。舞台から見下ろすと、かなり高いです。舞台の高さは約13m。金閣とほぼ同じ高さです。「清水の舞台から飛び降りる」ということわざがあるくらいですから、昔の人は願掛けや運試しのために舞台から飛び降りる人が後を絶たなかったようですが、ちょっとまねはできないですね。(1872年に禁止令が出ています)
清水寺を見学後はグループでお買い物です。11日からスタートした県民割で子どもたちには1人3,000円のクーポンが配付されています。京都でしか使えず、おつりも出ないことから、お小遣いの使い方についてよく考えなければなりません。品物を吟味しながら、計算をしながら、時間を守って上手に買い物をすることができました。

清水の舞台から奥之院を眺めました。
<<聖護院御殿荘>>
車窓から北野天満宮やうさぎの狛犬がいる岡崎神社や平安神宮を見て、今晩お世話になる聖護院御殿荘に向かいます。北野天満宮前では、ちょうど信号待ちでバスが停車したので、みんなで手を合わせ、学問の神様にお参りすることができました。平安神宮では、ドライバーさんのお計らいで、ぐるりと周囲を一周しました。「弘法も筆の誤り」の元になったという応天門を見て、あんな高いところに筆を投げて、よくうまい具合に点が打てたものよと感心しました。また大きな観光バスが余裕でくぐれるほどの大鳥居をくぐった時には歓声が。どんな体験も子どもたちには感動に繋がっていました。

お宿となる御殿荘は、重要文化財の中にある宿泊施設です。現在の天皇陛下も高校生の時にこちらにお泊まりになったことがあるという由緒正しきお宿です。
お宿の方にきちんとご挨拶をし、入室します。リニューアルされたばかりのお部屋は新しい畳の香りが漂い、とても気持ちのよい空間でした。また、他校との接触がないように、使用できる廊下やお風呂などが分けてあり、安心して過ごすことができました。

自由時間は部屋でテレビを見たり、

踊ったり?
食事はお部屋食。
仲居さんが食事のお世話をしてくださいました。ごちそうを前にテンションが上がりますが、感染症対策のため、前を向いて、黙食。これは守ります。

布団の準備は自分でします。
<<止観体験>>

お坊さんの法話を聞き、「調身」「調息」「調心」を意識した止観のやり方を教わりました。希望者は、警策で背中をたたいていただき、「目覚める」体験もさせていただきました。集中するっていいなと感じた子が多いようで、「朝の会や授業の前に止観をしたいな」という声も聞こえました。また、この後の予定で待つ時間になると止観をする子が何人もいました。よい体験をさせていただきました。

警策でパチンッ。

集中。よい姿勢です。