5年生が七宝焼学習のために七宝焼アートヴィレッジに出かけました。校区に「七宝焼」の発祥の地「遠島地区」がある宝小学校では、地域の伝統工芸である七宝焼を理解するために、3年生から発達段階に応じた体験を行っています。
七宝焼を学び始めて3年目となる5年生は、七宝焼のことをとてもよく知っていますが、今日はこれまで入ったことのないバックヤードを見せていただけるということで、どきどきわくわくしながらアートヴィレッジに向かいました。
アートヴィレッジでは、ちょうど「並河靖之と尾張七宝」という特別展示をしていました。七宝で七宝焼を学び、それを京都で発展させた「並河七宝」は、大変細工が小さく、精巧な作品ばかりでした。尾張七宝との違いがよくわかりました。
京都にある並河靖之七宝記念館が長期休館をしている今だけこちらに来ているというめったに見られないものを見学することができ、よかったです。
特別展示を見せていただいた後は、バックヤード見学です。

分厚い扉に守られた保管庫には、展示されていない作品がたくさん。七宝焼作品は800点ほど。道具も合わせたら1000点以上のものが大切にしまってあるそうです。

釉薬をつくる窯。金属やガラスなどの材料を入れた壺をこの窯に入れ、1500度の高温で何時間も熱を加えて溶かします。

どろどろに溶かされたものを熱いまま水の中に入れると、冷やされた釉薬はたちまち固まって小さな塊になります。それをさらに砕いて使います。

銀線をつくる作業を体験させていただきました。細い銀線をピンセットで挟んで桜の花びらやハートの形にしました。とても細かい作業で、目が疲れます。しかし、子どもたちは、職人さんの話をよく聞き、集中してがんばりました。完成したときにはどの子も大きく息を吐き、「できたぁぁぁ」と達成感を味わっていました。たった1個の形を作るのに、とても時間がかかりました。これを数百個もつくり、素地に張り付ける作業を想像すると気が遠くなります。職人さんの努力と長い年月を経て培われた技術のすごさを感じて学校に帰ってきました。七宝焼は世界に誇れる美しさです。