本日は、就学時健診、入学説明会に、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。いよいよ、来年4月から義務教育がスタートします。幼稚園・保育園の先生方からバトンを受け継ぎ、今度は私たちが青年期の一歩手前、少年から青年までの道をご案内します。
今年の夏休みに、孫のランドセルを買うことになりました。小学校は2キロほど離れていて遠いということで、軽くて丈夫で、かっこよくて、機能的で、しかも安いもの。そんな都合のいいものは、そうそうありません。というより、全くないのです。いいナと思うと高いし、安いなと思うと気にいらない。名古屋の老舗デパートから地元のスーパーまで、カバン屋を何軒もはしごしました。昨今、マスコミ等で話題となっている「置き勉」もしくは「ランドセルの重さ」問題です。新聞では、教科が多い日はランドセルの重さが10㎏にもなるということです。ちなみに、本校の1年生のランドセルの重さは、昨日計ったところ、3㎏でした。もっとも、昨日は観劇会だったため、用具は国語、算数、生活だけでしたが。3冊の教科書だけで、1㎏ほどあります。このほかに、ノートが4冊。ドリル、連絡帳、筆箱等で1㎏、それにランドセルそのものの重さが1㎏ということです。3㎏が重いか軽いかは意見が分かれるところです。文部科学省からも、「通学時の持ち物の重さや量について、子どもの負担を軽減する」工夫をしなさいという指示を受けています。お子様が入学するころには、さらに踏み込んで「置き勉」を認めるような動きがあるかもしれません。もっとも、この記事にもあるように、「教科書を家庭で見る習慣がなくなるのではないか」、「置いて帰ると紛失したりいたずらされたりするのではないか」、「教科書を大切にする感覚がなくなるのではないか」という懸念もあります。なによりも、本校のように古い建て方の教室には、その置き場がありません。一番困るのは、「置いていくと困る教科書やプリント」まで「置き勉」し、親子で学校へ取りに来る姿が思い浮かぶのです。そのときは、どうぞ、職員室の南側の出入り口をご利用ください。お待ちしております。
また、この夏、大変話題となったのは、災害レベルの猛暑でした。熱中症のために亡くなったお子様がいます。それをうけて、各学校でも緊急の対策を行いました。本校では、登下校の際、日傘の使用を認めました。冷却剤の使用や、スポーツドリンクの飲用も認めました。35℃以上になったら、運動場での外遊び、体育の授業、部活動を禁止しました。その結果、運動会の練習時間が短くなり、プログラムを大幅に変更して、弁当なしの午前中開催となりました。そして、運動会当日には、地区の自主防災会からお借りしたテントを児童席に設置しました。ご存じかもしれませんが、すべての普通教室にエアコンが設置されることも、市議会で決定しました。来年の暑さはどうなるかはわかりませんが、お子様にとって勉強に集中できる夏になることでしょう。
西日本の豪雨、北海道の震災など、学校どころか、地域の人たちの生命を脅かし、生活を破壊する災害が続きました。そんな中で、学校が再開したというニュースが明るい話題として取り上げられています。学校に元気よく通う子どもたちの姿は、地域の明るい希望になっているのです。新入生の笑顔は、学校にとってとびきりの光となります。今日も、5年生が「しっかりお世話をしよう」「私の弟、妹だ」という意識で、張り切って係の仕事をしています。学校では頼れるお兄さんやお姉さんが、そして優しくも厳しい先生が、地域には見守り隊を始めボランティアの皆さんが、そしてそれぞれの家庭で保護者やPTAの皆さんが、お子様が安心で安全な学校生活ができるようがんばります。どうぞ、4月からの学校生活を、お子様といっしょにお楽しみください。
お手元に、昨年度の修了式に配付した校長室だよりがあります。ジオノの「木を植えた男」という絵本について書かせていただきました。私たちの仕事は、種をまくことだと思っています。お子様の心にたくさんの種をまき、その芽を大切に育て、未来に向かって大きく成長させること。学校だけでなく、家庭、地域の皆様と一体となり、お子様がたくさんの花を咲かせ、実を結ぶことができるよう、ともに力を出し合いましょう。【就学時健診講話より】