―「式辞」より抜粋 南門のサクラ今にも咲き出そうと、みなさんを祝福しているようです。あま市立正則小学校第72回卒業生として、本校を巣立つ55名のみなさん、ご卒業おめでとうございます。 小学校の6年はとても長いのです。これからの人生に比べたら6年はあっという間かもしれません。でも、みなさんの12年の人生の半分を正則小で過ごしました。入学したばかりのころ、体の半分もあったランドセルが、今ではすっかり小さく見えます。それほど、みなさんは体も心も大きくたくましく成長しました。 これまで、全部で9人の担任が、みなさんを受け持ってきました。どの担任も、この子が今より一歩でも前に進むように、少しでもよくなるようにと、自分の力のすべてを注ぎ込んでくださいました。夜遅くまで作品に赤ペンを入れ、ギラつく太陽の下で運動場にラインを引き、給食を早く食べて漢字ドリルを点検し、冷え込む教室で係の掲示物を作り、わずかな暇を惜しんで気になる子に声をかけ、授業の準備や、大道具作りや、ダンスの振り付けなど、一人一人が活躍する場所を、居心地のよい教室を作っていました。華々しいフラッグダンス、見応えがあった「ワンダー」の劇、初めて取り組んだ「おそそ仁王」などの大成功の陰に、担任の先生方の努力があったことを忘れてはならないでしょう。 もちろん、みなさんを応援していたのは、先生だけではありません。みなさんの隣に座っている友達。見守り隊や読み聞かせなどの地域のみなさん、そして、何よりみなさんを大事に育ててくださった家族が、たとえわずかな一歩でも、前に進んだことを喜んだお父さんやお母さんの応援が、立派に成長したみなさんを、今日この場所へ運んでくれたのです。そのすべてのみなさんの思いを代表して、私がみなさんの背中を押します。 おそれず、前へ進め!立ち止まるな!
ところで、私が6年生のとき、大阪で万国博覧会がありました。1970年のことです。そこには「未来」がありました。ロボットやコードのない電話、電気自動車、持ち運べるコンピュータ。月の石や人間洗濯機には長い行列ができました。だれもが「こんなこといいな、できたらいいな」と思いました。それから50年が過ぎようとしています。50年前の人々が描いた「未来」が、今は「現実」となっています。予想を超えて進化したスマートフォン、あと一歩で実現しそうなリニアモーターカー、月をはるかに超えた、星の海から石を持ち帰るはやぶさ2号。アトムやドラえもんは、まだまだこれからでしょうか。50年の時を経て、また大阪に万国博が帰ってきます。みなさんが19歳の時です。そこで見る「未来」、そして、その先の50年後の未来の姿は、私には想像することもできません。みなさんは、その未来に向かって進んでゆくのです。 少しだけ先の未来、中学校生活を思い描いてください。毎日自転車で通学しているあなたを、授業で発表してるあなたを、初めての部活動で声を出しているあなたを。友人関係で悩んでいるあなたを。学校祭に全力を出すあなたを。泣いたり、笑ったり、怒ったり、友達とふざけあったりしているあなたを。そしてその先、大人になり、社会や家庭を支える大切や役目を担って、毎日がんばっているあなたを想像してください。 「未来」とは、その文字が表すように「まだきていないこと」、「何も決まっていないこと」です。決まっていないからこそ、今この時を大切に生きてほしい。私にとって「未来」とは、ロボットでも宇宙旅行でもなく、すてきな大人になったあなた自身です。私がたどり着くことができない、「未来」をたくましく生きていくあなたへ。未来のあなたによろしく。中学でも「正則の子はみんな元気!」