自分の家に小さな頃の写真はありますか?私にも、何枚も写真があります。親が何気なく撮ったものです。弟と一緒に習い事に行くときに後ろから声をかけられ、振り返った二人の写真です。満面の笑みでピースをしている写真は、その当時の何でもない時間を輝かせてくれています。
この職業に就いてから、生徒の写真をよく撮るようになりました。ファインダー越しに見る枠のある世界は、現実を切り取った形で目に飛び込んできます。実際に目で見る風景と、丸っきり違う風景のようなときもあります。
写真というのは、その1枚から見えない思いが見えてきます。私のこの1枚で言えば、シャッターを押してくれた母親の思いです。後ろ姿がかわいらしく見えたのでしょうか、普段は「いってらっしゃい」で終わる場面が、母親には記憶と記録に残しておきたい場面だったのだと思います。
今日、今年度初めて1年生の教室で道徳を行いました。『見える想い、見えない想い』と題して挑んだ道徳は、生徒の過去の写真の話題から入りました。このクラスの生徒は、素敵な写真を何枚も持っているようでした。その写真から伝わる思いは何なのか。そんなことを考えていると、優しい想いが伝わってきます。
その後、優しい想いが身の回りにあふれていることを考える前に、質問をしました。日本は世界の幸福度ランキングで何位になっていると思いますか。30位ぐらい。70位ぐらい。一桁の数字を言ってくれる生徒もいました。実際は、54位です。私たちの国は、蛇口をひねれば水が出て、少し歩けばコンビニに食料があり、働く場所もあります。さらに、教育を受けることが義務化されていて、医療大国のため健康長寿国です。どうして幸せじゃないと感じてしまうのでしょうか。
私はその後ペンを落とします。目の前に座っている女子生徒がすぐに反応してくれて取ろうとしてくれました。「私はこれが幸せです」と伝え、幸せになるポイントは何が幸せなことなのかについて『気づく』ことではないか。今日はこれを題材に、みんなで考えを深めました。何に気付くことが幸せになることにつながるのか。生徒は、最初は優しさ、人の思い、思いやり、温かさ…と答えていました。時間が経つにつれ、少しずつ変化が見られます。悲しさ、辛さ、叱られたときの言葉、相手の行動の裏にあるもの、心の痛み、当たり前の重み、相手の笑っている顔がちゃんと心から笑えているかどうか…たくさんの意見がありました。嫌な記憶や消したい出来事にあった今まで見えなかった思いが、見える思いになり、優しい思いに気付く生徒もいました。
あれもない、これもないと、ないものばかりを考えていると、いけないのかもしれません。幸せを感じるための人生の歩み方は、きっとないものを数えるより、あるものを数えることの方が明るい人生を歩めるはずです。
さて、まずは、自分が小さな頃の写真を見てみませんか。その写真にどんな優しさが隠れているのでしょうか。人生は幸せの種を見つけ出す宝探しのようなもの。自分の身の回りにある幸せの種を一緒に見つけましょう。
【今日の給食】
今日の給食は、ごはん、牛乳、愛知の野菜入りコロッケ、筑前煮、磯香和えでした。コロッケにれんこん、ホウレンソウ、じゃがいもが入っていて、優しい味でした。筑前煮はやっぱり外れません。安定しています。ゴボウの存在感が堪らない一品でした。磯香和えは、のりが決め手です。今日もおいしかったです。本当にありがとうございました。ごちそうさまでした。
