三年生からのメッセージが一年生生徒昇降口にはりだされた日。くいいるように一年生生徒はその言葉を読んでいた。
「おはようございます」と三年生が挨拶をしてくれた寒い朝。「もう残り少なくなりましたね」と話しかけると,自転車登校時の寒さを受けとめた赤らんだ頬がにっこりと微笑んでいた。
三年生にとって冬休み以降の残された三か月は三か月ではない。そして特にそれをひしひしと感じていたのは生徒ばかりではない。三年生の職員は例年以上の進路事務日程に追われ,そんな中でも残された時間は一日一日と正確に時を刻んでいった。
「三年生と一緒にいられる残された時間は?」と三年生職員に聞いた。即答で「24日です。」一日一日をかみしめて生徒と向き合っている。「でもみんなが全員そろっての日々はもっと少ないんですよ」と寂しそうな顔をのぞかせ答えた。
冬休み後の一月はひと月分はない。二(に)月はこの言葉の音のように逃(に)げるようにいく月。そして三月を迎えたら避けてはとおれない卒業式はもうそこまで。そして,その日を境に三年生にとって美和中学校は母校という名に変わっていく。