私の好きな言葉に『範を示す』という言葉がある。辞書で調べると,手本を相手に伝わるように表して見せるとある。学校生活において,三年生は学校の顔と呼ばれ,その年の一年間の多くを範を示しながら義務教育最後の時を迎える。その時,この美和中学校は母校と呼ぶ名にかわり,いつまでも心の刻まれることになる。 三年生は常に学校の顔としてこの4月から学校生活を送っている。自分たちの学年としても生活だけではなく,委員会活動や部活動などでこの美和中学校をけん引している。そしてこの一年は常に最後が三年生にはついてまわる。部活動が真顔と涙のなかで終わっていき,ここでの最後の学校祭を今日終えた。文化祭リハーサルで三年生が後輩を前にクラス合唱を披露した。それを見ている後輩たちは三年生はこうあるべきだという範を示し,後輩たちはきっと「来年は私たちも・・・」という気持ちにさせてくれたに違いない。
今朝は朝から職員作業だった。校長先生をはじめ多くの先生方が運動場が少しでもいい環境になるようにと水たまりと格闘。予定どおり体育祭は開催。一年生は朝のST時,ハチマキを巻いただけで一気にテンションはあがった。三年生の大きな号令,一生懸命に競技に参加する姿を後輩たちはどんな思いで見ていたのだろうかと思っていた。三年生の最後の演技である大縄跳び。二年生の男子がみんなにこう呼びかける。『三年生最後の演技だ。応援するぞ』と。拍手と声援が飛び交うなか,大縄跳びがはじまる。声をかけあい,一生懸命に縄をまわし,そんな姿に同じブロックの後輩たちは跳んだ回数を大きな声で数える。快晴ではない空にすがすがしい風が吹いた瞬間だった。
三年生はこの日も後輩たちに相手に伝わるようにその姿勢で三年生はこうあるべきと範を示してくれた。